秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

第3回 八郎湖の再生を考える集い

   これ、いったい何だか判りますか?↓
 

11月23日、「第3回 八郎湖の再生を考える集い」が行われました。これは、八郎湖流域の自然再生活動を行っている団体が「水が濁り、潟の魚が減っている八郎湖を何とかしなければいけない」と始めたもの。
 今回よどぎみは、木炭の水質浄化機能を利用した八郎湖の自然再生活動の‘すみコース’に参加させていただきました(もうひとつはブラックバスなど外来魚により生態系が崩れてしまった八郎湖で、魚をすくって観察する‘さかなコース’)。
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写真は、大潟木炭水質浄化研究会の高野さん。「昔は農業用水は綺麗な地下水を利用していた。戦中・戦後は井戸にも炭を入れていた。先人の知恵だな、水どごきれいにしたければ、まずその土壌からさねばなんね」と言う高野さん。代掻きの際に炭の粉を撒いたりして、水そのものの浄化だけでなく土壌改良にも力を注いでいます。「自分たちの生活の場は、自分たちで守る。自分たちの営みの場は、自分たちの力で改良する」と、自然再生活動に熱心に取り組んでいる人たちは皆ボランティアで、農家が本業という方がほとんど。中には八郎潟干拓後すぐから何十年と活動している団体もあります。

【炭の効用】
 意外に知られていない、炭の水質浄化作用。炭には無数の小さな孔があり、有害な不純物類は孔に吸着され、炭につく微生物によって分解・浄化されます。「天然の浄化器」といわれるゆえんです。
 

この青いネット袋に8㎏になるよう炭を詰め、1基につき8袋を2列に並べ次々とイカダに乗せていきます。
 

炭の袋が浮いたり散乱しないためにも、補強します。木炭入りの袋を積んだイカダは、必ず水が通り、かつ最も水が汚れる場所に浮かべます。

 

このような木炭イカダを板状に設置している所は、排水路と西部承水路内に計14ヶ所あります(今回の分は、西部承水路3ヶ所に設置予定です)。



【炭焼きの見学】
 満5年目となる炭焼き活動。炭釜(大潟村仮設炭化炉)は、村の有志が廃材などを持ち寄っての手作りゆえに、想いも深いです。

 

別名「Dreamかま太郎」。炭の材料となる木は、倒木や間伐材、これまで野焼きしていた松食い虫の被害木などを有効活用します。炭で全身真っ黒になりながらも、笑顔で経緯を説明する伊藤さん。地域住民の夢をかけたかま太郎は、本日も稼働していました。

 

湖畔にヨシなどの水草を植え、潟の原風景を再生する協働活動など、他にも地域住民や学生などが連携しての美しい八郎潟の再生に向けたさまざまなプロジェクトが行われています。とはいえ、木炭の水質浄化機能を利用した八郎湖の自然再生活動は今年が2年目で、汚れきってしまった水を浄化するには、炭の数としてもまだまだ足りません。この活動を通して周辺地域の人たちが身近な八郎湖にもっと関心を持ち「地域の湖を少しでもきれいにしよう」という意識づくりのきっかけになれば、と思います。

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未来の「八郎湖のイメージ」は?
 

昼は八郎潟町農村環境改善センターにて、八郎湖の恵みある食材(ワカサギ天ぷら・有機米のだまこ鍋等)の試食会が行われ、ブラックバスのフライ入りハンバーガーなども提供されました。ブラックバスはスズキのような食感。あくまで毎年10tもの外来生物の被害を減らすための食材で、決して地元の「特産品」にはなり得ません。生態系保護と水質改善のため、ワカサギやシジミなどが安心して生息できる湖に戻すため、食べることで「駆除」するのが、ひとつの道なんですね。

 

午後の「再生を考えるコーナー」では、八郎潟ゆかりの人々が八郎湖への想いと再生への願いを綴った「八郎湖への手紙」を朗読しました。昔の八郎潟の姿を知らない私は、背景に映し出されたかつて生活に寄り添った八郎湖を見ながら、素朴で美しかった頃に想いを馳せるのでした。
 秋田県立大学谷口教授が「八郎湖再生新時代」と題し、「湖を浄化するには、(大潟村・昭和などの)下流地域の努力はもちろんのこと、(三種・能代などの)周辺地域の農業排水削減の取り組みも必要」と講演されました。確かに…水は高いところから低いところに流れます。お互いが強い信念を持って協力し合わない限り、立ちはだかる壁は厚いのです。
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私たちにも出来ることがあります。
 

これまでの「干拓によって自然が破壊され、生き物は滅亡の危機に瀕している」「アオコの大量発生」「釣り人の減った残存湖」といったイメージが消滅し、「いのちあふれる八郎湖」「湖面に月が映し出されるほど透明な湖」「地域の心のよりどころ」になると確信するには、まだ幾年月も必要です。今回のような活動に積極的に参加するのも大切ですし、八郎湖について家族や地域同士で話し合ったり、生活排水を出さないだけでも湖は救われるのではないでしょうか。地道な活動が実を結び、近い将来、本来の透き通った八郎湖に戻ることにつながるよう、願ってやみません。

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ついにブラックバスを口にした県央担当よどぎみでした。

2009年11月25日18:48 | 県央情報 | Trackbacks (0)

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