秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

地域の農業から学ぶ ~横手明峰中学校~

おものがわ夢工房
毎日、残暑厳しい日が続きますね。皆さん、体調はいかがですか?
秋田県の小・中学校はすでに夏休みが明けています。
この暑い夏、貴重な体験を通して有意義に過ごした子供たちがたくさんいることでしょう。

私は、今年4月に開校したばかりの横手市立横手明峰中学校(大雄中、大森中、雄物川中
が統合)1年生の皆さんが、「総合的な学習」の補完として、夏休み中に地元(大雄地域、大森地域、雄物川
地域)で農業体験をすると聞き、うかがってきました。その様子を紹介します。

洗う・切る 切る
まず、最初に伺ったのは、おものがわ夢工房です。
ここは、「粋果の雫(すいかのしずく)」という商品名で、“すいか糖”を作っている工房です。
(ほかにも、ぶどうやさくらんぼ等の加工も扱います)
横手市雄物川地域は、県内でも有数のすいかの産地。夢工房のメンバーが作るすいかを
材料に、果汁だけを贅沢に煮詰めて作ります。

今月20日、横手明峰中から1年生3名が体験にやってきました。この日は、夢工房として
今年初のすいか糖づくりの日であり、体験者を受け入れするのも初めてという日でした。
畑から新鮮なすいかが運ばれ、手洗い・切るの作業がしばらく続きます。

ミキシング しぼる・漉す
切ったすいかを大きな圧搾機にかけてしぼり、漉して種やしぼりカスを取り除きます。

瓶の洗浄 瓶の煮沸
同時に生徒のみんなは、詰める瓶がきれいかどうかのチェックを、そしてその瓶は煮沸して殺菌します。

煮詰める
そして、この煮詰める作業がすいか糖づくりの正念場。大きな釜にすいかの果汁を入れ、約4~5時間
程度、こまめにかき混ぜて果汁が10分の1程の量に減るまで煮詰めます。
とにかく、暑い!!真夏に外で過ごすより暑い!!
写真は、おものがわ夢工房代表の佐藤イチ子さんです。

粋果の雫
生徒のみんなも釜の前に立つと、玉のような汗を流して「すいか糖」作りをそばで見て
行程の一部を手伝い、その大変さを実感しているようでした。

「水に顔をつっこみたい」、「作業より暑さが辛い」と言いながらも、頑張りましたよ!
「思った以上に大変な仕事だと分かりました。暑さの中で体力を使うし、
力も使います。なのに、ここにいる皆さんは、体力を消耗する様子も
見せないでイキイキと働いています。尊敬しました」
とも。

そして、代表の佐藤イチ子さんも
「みんな一生懸命にやってくれて助かりました。私たちの加工は、
自信をもって商品を作るために、一から十まで手をかけ、時間をかけて
作業しています。大きな会社で体験するのと違って、私たちのような昔
ながらの手作り加工の仕事があることを分かってくれて嬉しいです」


体験させてもらう中学生、自分たちの仕事をしってもらうきっかけになった受入側。
どちらにとっても濃い交流の時間となったようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大森町・平元さん
一方、場所を大森町に移すと、大森町グリーン・ツーリズム推進協議会の会員である平元由美子さんの
お宅にも生徒のみんなが来ていました。午前中はほかのグループと一緒に大根の種まきをしたそうです。
午後は、平元さんの畑にピーマン、シシトウの収穫に出かけました。

ピーマンの収穫 川遊び
「こんなにたくさんのピーマン、初めて見た」、「ピカピカしてるね、探すの楽しい」と友だちと
話しながら腰にぶら下げたカゴはあっという間にいっぱいに。
地元・大森町に住むみんなにとって、畑は身近でありながら、実際に収穫する経験は少ないのかも
しれません。カゴの中身を見せ合って、みんな満足そうな笑顔を見せてくれました。

炎天下の作業は早めに切り上げましたが、休憩の時間もそこそこに、平元家の前を流れる
川で川遊びの時間に突入(^^)
「農家は天気と相談して時間を自由に使えるから、これも体験」と平元さん。

川遊び お別れ
長靴の中に水が入るほど楽しんだ様子です(^^)
そして、お別れの時間にお礼のあいさつが交わされました。

平元家には、おじいちゃん、おばあちゃんも住んでいますが、
「家からすぐのところに住んでる子どもが体験に来てくれたが、今まで会った
ことがなかった」
と言います。今回の体験は、自分の家族と学校という限られた社会で過ごす中学生に
とって、地域の人とつながる大きなきっかけになったのかもしれません。

そして、「若年層の離職率の増加、就職難など様々な問題が突き付けられる現代に、やり抜く力を
もち、働くことの意義を感じてもらいたい。好きなものを見つけて打ち込んでほしい」という学校や家庭の
期待を背負ったみんな。体験を受け入れする側の農家や団体を見て、地域の方たちもそんな生徒の将来を
同じように温かく応援していることを感じました。

平元家から見える景色
横手明峰中学校のみんな、今回の農業体験を行うにあたって、事前に農家さんや団体に
自分たちでアポイント取りを行ったそうです。そこからもう自ら考えて動く体験が始まって
いるんですね。すばらしい~!
それにしても、真夏の暑い日でした。みんな、お疲れ様でした。

協議会事務局

2012年8月31日15:00 | 県南情報 | Trackbacks (0)

Comments and Trackback are closed.

Trackbacks

カテゴリー
最近の記事
アーカイブ
検索
RSS