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いくつもの喜びや苦しみを経て
人の心を知る年になった今
何かにつけて心をよぎるのは、若かりし母の面影

「昭和のこどもたち」(石井美千子人形作品集)

お茶の入ったやかんを持って、母に向かって一目散にかける女の子
自分の体より大きな鍬を手に、懸命に土を耕す男の子
子供と言えども、親を頼ってはいられない。
(現在の体験学習とは、根本から異なる世界)

たくましく生きる母と子。
左の写真・・・子供の子守りしながら、早乙女の晴れの舞台・田植えを見る男の子、それを気遣う母の優しさ。右の写真・・・やかんを持つ男の子のズボンはボロボロに裂けている。けれども、母と子のたくましい笑顔が印象的だ。

どんな環境でも、子供はたくましく育っていく。
右の写真は、乳幼児を入れて育てる木の保育器・エヅメ。
ワラで編んだエヅメもある。米づくりの村の子供たちは、みなこのエヅメで育った。

子供は、どこまでも子供らしく、健康的であった。
家の中にじいちゃんがいて、ばあちゃんがいて、父さんがいて、母ちゃんがいた。当たり前の暮らしの中で、子供たちもまた、よく泣き、よく笑った。

農繁期になると学校は休みになり、子守りをさせられた。
昭和20年代の小学校4年生の作文「あそんではいない」

私は学校をよく休むのでみんなにきらわれている
部落出席きょうそうをやっても
子守りしてごはんのしたくをやるのだ
赤んぼうが早くおきる
私は「えづこ(ワラで作った保育器)」に入れてやる
ひとりでやるので、よういではない
ノートを出して、勉強すると
そこへ来て じゃまをする
私は、ただあそんではいない

めぐる命

遠くで人々のざわめきが聞こえる。
この子らの生きる未来の空もまた青く輝き
生きとし生けるもの全てを包み込む
暖かな日差しに守られますように

「昭和のこどもたち」(石井美千子人形作品集)より

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