湯沢市秋ノ宮 地域力ワークスやまもり

令和2年1月18日(土) (一社)地域力ワークスやまもり(AKINOMIYA-BASE)

秋田県は、秋田のグリーン・ツーリズム(以下、GT)の推進を図るため、外国人旅行者をサポートしたり、農村の魅力をPRする「秋田グリーン・ツーリズムサポーター」を募集しました。今年は本県GTに興味のある県内の大学生や留学生、ALT、一般の方まで広く研修に参加されました。なお、3回の体験研修のうち2回以上参加した研修生は、「秋田GTサポーター」として認定されます。
今年度最終回(3回目)となる今回は、湯沢市秋ノ宮地域にて、冬のアクティビティを楽しんだあと、「外国人も楽しめる農家体験にするには」というテーマで、ワークショップを行いました。その研修の様子をご紹介します。

写真は、会場「AKINOMIYA-BASE」で研修生に挨拶をする、地域力ワークスやまもり事務局長の柴田裕さん。

あきたこまちで玄米茶づくり

ウェルカムドリンクでいただいた玄米茶。この日のアクティビティのひとつは、あきたこまちの玄米を煎って、玄米茶を作る体験です。手網焙煎器と呼ばれる網に玄米を入れて、カセットコンロの火の上でふりふり。次第に玄米が色づき、完成です。パックに詰めてお土産にしたり、その場で味を確かめる研修生も。シンプルでありながら、これまでになかった体験として研修生は新鮮に感じたようでした。

書き初め

もうひとつのアクティビティとして、書き初めに挑戦しました。1年の抱負を一筆したためる人、書きたい母国語を日本語変換する外国人研修生、更には型にとらわれず自由に筆を運ぶ人、イラストを描く人等々、楽しい時間となりました。もちろん、作品は大事に持ち帰りました。

地域散策、昼食「きのこ屋」

2種類の体験後、ゆっくりと地域散策をしました。例年であれば、一面銀世界と化す秋ノ宮ですが、暖冬の影響で道路に雪がありません。秋田最古の温泉郷である秋ノ宮は、ここかしこで温泉が湧き出る特色があります。豊富な温泉が集落の各家庭にも引っ張られているのを「パイプ」を見て実感しました。温かいそのパイプには、どの家に繋がっているかが分かるように、家主の名前が書かれていました。
また、一部で温泉が湧き出ている役内川・「川原の湯っこ」へ。例年であれば冬に川原の湯っこに行くことはできないそうですが今冬は特別です。更には、川原の湯っこの近くにある施設にすら驚きが転がっていました。駐車場にあったホースから出る融雪水は、まさかの温泉水…贅沢!

川原の湯っこから、国道108号線沿いにある「山の味 きのこ屋」を目指しました。写真は、岩魚焼定食。養殖しているという岩魚をはじめ、食材のほとんどが秋ノ宮産。保存されたきのこや山菜も小皿の上で彩られていました。心づくしの手料理でお腹いっぱい。また、ここのご主人は、現役のマタギだそう。かつて射止めたという熊の皮を見せていただきましたが、その迫力に身震いしました。

ワークショップ「外国人も楽しめる農家体験にするには」

再度、AKINOMIYA-BASEに戻り、お汁粉をいただきながら最後のワークショップを行いました。当初は、冬のアクティビティとしてスノーシュー体験を予定していましたが、雪不足のためにその体験ができなかったことを残念にしつつも、満足度の高い内容だったという感想が多数聞こえてきました。また、外国人研修生からは以下のような感想がありました。

  • 地元の人と交流、関わり、繋がりを求めている。玄米茶も書き初めもよかったが、もっとレクチャーを加えて文化について知りたかった。
  • 人気の観光地から離れた場所に行く観光客は、ユニークな体験、その国らしいことができる体験を求めている。どんな経験をしてきたのか、家族や友人に伝えたいと思っているので、モノの名前一つでさえも多く覚えて帰りたいと思っている。
  • 温泉がある地域ですごい!

それに答えるように、柴田さんはじめ地元スタッフの皆さんから「AKINOMIYA-BASEは、外の人と地元の人を繋ぐ場にしたい。皆さんの感想は私たちの今度の活動に役立てたい」と返していました。

これで全3回の研修が終了し、「秋田グリーン・ツーリズムサポーター」が認定されました。早速、各方面でサポーターの皆さんに活動をしてもらっています。

研修生からの感想やレポート(一部抜粋)

  • 外国人観光客をターゲットに考慮すると、比較的スタッフの皆さんが日常会話レベルの英語を話していたので、パンフレットなどを作成する際に、English available と一言付け足してもいいのではないのかなと思いました。正直、外国人観光客は行きたい場所があったとしても、言葉の壁があると感じるならば、避けるという選択をする人も少なくはないと思うので、より多くの客層を得るためには最適な表現法なのではないかと思いました。
  • 川原の湯っこはこれまで回った秋田の中でも一番驚いたと言っても過言ではありません。私には温泉は身近ではなかったので、実際に温泉が湧き出ているところを見るのは非日常的な体験でした。川原の湯っこが温泉の出る場所として整備されすぎていないところがより良かったです。そのおかげで観光地に行っているというより、川遊びをしているように感じられました。

AKINOMIYA-BASE

地域の自然体験をコーディネートする(一社)地域力ワークスやまもりが管理する、温泉付きゲストハウス&カフェ。この古民家は、空き家を農泊コンテンツに変えるチャレンジ型実践ワークショップで生まれ変わりました。「普段あまり出来ない異日常時間で思い出作り」がコンセプトです。