をつなぎ続けて

~大湯小学校田代分校~

2011.02.19

2011年2月19日(土) 十和田湖の入り口にあたる鹿角市の田代平地区で、
地域住民による雪祭り
「スノーフェスティバル」が行われました。
会場は、地域の中心となっている大湯小学校田代分校。
毎年12月から3月まで開校する冬季分校です。

もしかして、前日の夜わくわくして眠れなかったのは、分校の子どもたちじゃなくて、

私のように「招かれた人たち」だったのかもしれません。

 
スノーフェスティバル
 

鹿角市立大湯(おおゆ)小学校 田代(たしろ)分校は、

1950年、鹿角市立中滝(なかたき)小学校の分校として開校しました。
その後冬季分校となり、趣のある木造の校舎は築40年を超えています。
平成21年3月、児童数の減少から中滝小学校は閉校。この中滝小学校の校舎が、
現在、体験の受け入れや地産地消カフェをもつ「中滝ふるさと学舎」となっているのです。

平成22年度から田代分校は隣の大湯小学校に統合され、

今年も1年生から6年生まで、男女5人の子どもたちが毎日元気に通っています。

   

こんな大きなトラクター初めて見ました。

 
スピードが出るようにコースはなめらかに。

田代地区は、戦後、山形や新潟から集まった入植者によって開拓された酪農地帯。
この入植者の子どもたちのために開校したのが、中滝小学校であり、田代分校です。
本協議会発行「moi」第2号で紹介した佐藤博久さんは、中滝小の2期生にあたります。

スノーフェスティバルは学校行事ではなく地域のイベントですが、

分校は公民館としての役割も担っているため、様々な地域の集いの場となっています。

そのため、企画も準備も、学校の卒業生を多く含む、地域の大人たちが行います。

当日も朝早くから、酪農で使う巨大なトラクターで雪山を仕上げ、コース整備をしていました

 

 

かつて赴任した先生やその家族、

「遊びに来て」と招待された人たちまで

たくさんの人が集まりました。

 
昨年12月に行われたクリスマス会。

赴任した先生たちは、この場ではじめて

域の人たちに紹介されます。

田代分校では毎年、先生たちが宿直を行いながら4ヶ月間の勤務を続けます。
その間、先生たちはクリスマス会やスノーフェスティバルなどの地域行事に参加し、

子どもや保護者以外のたくさんの地域住民とも交流を重ねていきます。
たった4ヶ月という短い時間ですが、先生の中には、豪雪地帯の暮らしや
酪農の仕事、

歴史や人柄に触れるにつれ、この場所を大好きになって去っていく人がたくさんいるのです。

 

そのうちのひとり、中滝小学校閉校時まで赴任した泉谷さん(右)は、この日、

妻と2人の息子を連れて田代を訪れました。小さな息子に寄り添いながら、

ご自身も久しぶりの田代で過ごす時間を楽しんでいらっしゃったようです。
昨年4月下旬、「中滝ふるさと学舎」の開舎式でお会いした際、

「ここ(中滝小、田代分校)で過ごした日々は、自分の教師人生のターニングポイント」と

語ってくれた泉谷さん。保護者以外の地域住民が積極的に学校に関わる姿を見て、

地域で子どもを育てることの大切さを感じた、という言葉が印象的でした。

 


長くつ飛ばし

ただ長くつを飛ばすだけなのに、難しい。
上に飛んだり勢いで転んだり…。

私も思うようには飛びませんでした。


3、4年生の担任 扇田先生。


そして、扇田先生のお父様。

泉谷先生のように、分校を去った後もこうしてこの場所を訪れたいと思うのは、

何といってもここに暮らす人々の心が、本当にあたたかいから。

この日、3、4年生を受け持つ扇田先生(右上)のご両親が見学に訪れていました。

ご用事のため途中で帰ろうとなさっていたその時、長くつ飛ばしの順番にお父様の名前が。

苦笑いしながらも、一旦車に向かった足を校舎にクルッと戻し、その足に白長ぐつを履いて、

エイっと遠くへ飛ばしてくれました(右下)。

一度足を踏み入れたら遠慮する隙間もなくあったか~く迎え入れてくれる、

田代の人々にはそうした懐の深さと優しさがあります。

 

的当て スプレーで円を描いた即席の的。

下に落ちても50点がもらえる優れものです。

1年生の担任 藤原先生。

得意のスライダーで投げる!

大湯小学校の校長先生!

さすが、フォーム美しいです

   

けつ滑り 中滝ふるさと学舎の「ヒップスキー」でおなじみ。

肥料袋をおしりに敷いて、勢いよく滑る!

中滝小卒業生の中学3年生。

けつ滑りはベテラン中のベテランです。

もちろん各競技で上位入賞!

大湯小学校の教頭先生。

昨年秋、大湯小5年生の滝めぐりの

時もお世話になりました。 

   

現在、このような冬季分校は全国でも数少ないものになっています。

少子化の時代にあって、こうして分校というものが残り、

域が絆を強めながら子どもを育てている場所は、本当に貴重な存在なのかもしれません。

でも、ここに来てこの笑顔に出会ったら、

誰だって、この場所がずっと変わらずに残ってほしいと、本当にそう思うでしょう。

小さな地域の固い絆のその輪の中に、訪れた人たちをそっと入れてくれる優しさ。

それを感じると、またここに来たい、この人たちに逢いたいと、心から願うのでした。 

 
❊番外編❊田代分校お泊まり会

実は、スノーフェスティバルの前日、

田代分校の子どもたちは、みんなで学校に泊まる「お泊まり会」をしていました。

みんなでご飯を作って、教室に布団を並べて眠る宿泊体験です。

夕闇が近づく午後5時30分。さっそく夕飯作りにとりかかる5人の子どもたち。
さてさて、何ができあがるのでしょうか…。

 

ニンジンの皮をむく3年生の恭輔くんと

それを見守る1年生の音緒くん。

低学年コンビはいつも一緒の仲良しです。

デザートのフルーツを切る

4年生の亜里沙さんと5年生の遥さん。

イチゴも、リンゴも小さく小さく…。

   
   

6年生の柊太くん。怪しく鍋をかき混ぜる…。

柊太くんにとっては最後のお泊まり会。

4月からは十和田中学校に通います。

あっ、つまみ食い!

 

 
   

 

 

 

恭輔くんと遥さんのおばあちゃんから

差し入れされた漬けもの。

教頭先生に「おひとつどうぞ。」

出来上がったのは煮込みラーメン。

買い出しの分量もお金の計算も、全部自分たちで相談し合いながらやり遂げました。

学年の差に関係なく役割分担を行い、しかし高学年が低学年をちゃんと見守っている様子は、

少人数学校ならではの良さかもしれません。

 
   
校舎の外にはキャンドル。  先生が火を灯します。
   
   

夕食の後は、お待ちかねの肝試し!
分校の先生たちは、この日のために何度も打ち合わせを重ね、
ストーリーを考えて、

校舎の至る所に手作りのおばけを仕込みました。

藤原先生が借りてきた怖い話のDVDを観て、雰囲気を盛り上げる、というか本気で怖がる。

   
   

低学年コンビの恭輔くんと音緒くん。

「音緒くん一緒に行こう。」

チェックポイントに名前を書きます。

1年生の音緒くん、おばけに興味津々♪

  
 

実は、田代分校には子どもたちと先生たちの他に、毎年分校が開校する4ヶ月間だけ、

お掃除などのお世話をしてくれる女性がいます。田代地区に暮らす橋野エスさんです。
「12月に始まる時は、4カ月がとっても長いような
気がするけど、気づけばあと少しだもの。

昔に比べて子どもも減ってしまったけど、これからも続いてくれればってね。」

話すエスさんの顔は、優しさに溢れていました。

 

楽しかった分校生活も、もうすぐ終わり。田代に春が訪れるのはまだまだ先ですが、

子どもたちはお互いにまたひとつ大人になって、それぞれの生活をスタートさせます。

 

県北担当 やっつ 


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