大阿仁地域活性化協議会 主催

大阿仁“満喫”フェスタ ムラ旅

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2014年10月5日、12日、19日、26日
(日) 〈北秋田市阿仁〉

(取材:10月12日)

北秋田市の旧大阿仁村地区の住民たちがメンバーである、大阿仁地域活性化協議会主催・「大阿仁“満喫”フェスタ」が、10月の毎週日曜日に開催されました。フェスタでは、集落散策ツアーの「ムラ旅」と、物産直売をした「ムラ市」の同時開催で行われました。ムラ旅の様子をご紹介します。

※写真:秋田内陸縦貫鉄道・笑内駅にて、ツアー参加の皆さん。

 
10月12日(日) 根子集落へ
 
 秋田内陸縦貫鉄道の笑内(おかしない)駅に集合し、参加者の皆さんで自己紹介をしました。   同駅から2コースに別れて散策を行ったのですが、私がお世話になったのは、阿仁根子集落を案内してくれた佐藤克巳さんです。
     
駅を出るとすぐに、根子集落へと続く入り口がありました。   間もなく、トンネルが見えてきます。このトンネル、車一台しか走ることが出来ません。
     
竣工1975年。日本一古い農道トンネルと言われているそうです。   この標識、わかりますか?狭いトンネル内に、二箇所の待避所があることを意味しています。
約570メートルの狭くて一直線のトンネルを歩きます。もちろん、住民たちが利用するトンネルなので車も行き交います。車が通る度に「ゴー」という轟音が近づいてきたり、遠ざかったり。トンネル内に響くその轟音に恐さ半分、わくわく半分。

 
   

 明るい出口に向かってトンネルを抜けると、目に飛び込んでくるような隠れ里・阿仁根子集落の景色が広がります。集落には、64戸150~160人の住民たちが暮らしているそうです。

 

ガイドの佐藤さんが暮らしている集落の眺めに見入り、しばらく離れられない参加者の皆さん。

     
歩き出すと、最初にお墓が現れました。根子はマタギ発祥の地とされ、戊辰戦争時にはマタギたちが戦争に徴集されたそう。戊辰戦争で命を落とした根子集落の「佐藤松五郎」の墓石がありました。墓地の隣りは、道祖神の役目も果たす「庚申(こうしん)様」。猿田彦神を祀っています。
 
 
 
そこから歩き出し、小さな橋を渡ると目的地であるグリーン・ツーリズムの交流拠点施設「二又荘」が見えてきました。家の前で根子又沢に備前ノ又沢が合流し、二又になっているのが名前の由来だそうです。
 

二又荘を管理する、大阿仁地域活性化協議会会長の(※)山田博康さんは、根子集落の出身です。一行の到着を待っていてくれました。

(※)NPO法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会会員「阿仁の森ぶなホテル」のオーナーでもあります。

 
明治16年築の古民家でゆっくりごはんをいただく時間。   大根の山葡萄漬など彩り豊かな漬け物各種やおにぎりなどを作ってくれたのは、佐藤さんの奥様。ごちそう様でした。
 
美味しい田舎料理に舌鼓。歩いてお腹を空かせていました(^^)   二又荘の外には大きな栗の木。

参加者の皆さんで記念写真
 
 
 
秋晴れの下、気持ちのいい時間です。   足元に目をやると根子番楽のデザインが施されたマンホール
 
旧根子小学校体育館を活用した根子番楽伝承館に到着しました。根子番楽は、国重要無形民族文化財に指定されています。   昭和46年頃に植樹されたと言われるメタセコイヤの大きな木。集落のたくさんの子どもたちを見守ってきたのでしょう。
 
これは珍しい!もたれかかって、ひと休みする二宮金次郎像。  

魚形文刻石。縄文時代からある石で秋田県指定有形文化財です。佐藤さんはよく小学校のとき触って歩いたそうです(^^) 

 
     
 
 
伝承館を離れ、次に目指したのは「根子神社」。   集落の住民からは「観音様」と呼ばれていますが、仏様です。たくさんの木に囲まれた社殿の中を見る事ができました。
 

こちらは「根子山神社」。マタギの神様である山神様が祀られています。

大きくはなくともこのように多数の神社が点在する根子集落。

マタギ文化が根付くこの地域では、古くから神仏への信仰が深かったとうかがえます。

 
菅江真澄の標柱を見つけました。1805年、マタギの習俗や伝説などを「みかべのよろい」などに書き留めています。   道中、休憩所として寄らせてもらった「西根商店」さん。閉店したお店ですが、今でもこのようなイベントに協力的。ありがたいですね。
 
旬の栗とお茶でおもてなししていただきました。実がぎっしり、おいしかった(^^)
 
 
 
散策途中の一こま。秋の優しい日差しと自然の美しさが、ごく当たり前に目に飛び込んできます。
 
根子児童館を訪れました。中には、番楽の古い衣装やマタギの狩猟用具、古い資料などが展示されています。
 
こちらは民家の庭先。旧炭鉱跡(大阿仁炭鉱)です。炭鉱が盛んだったので出稼ぎはなかったそう。また、電話の開通は遅かったそうですが、電力には困らなかったと佐藤さん。昭和36年に閉山したそうです。
 
 
 

小さな隠れ里・根子集落を歩くムラ旅はこれにて終了。

まるでジブリの世界を想像させるトンネルを抜けて、再び笑内駅に戻りました。

歴史と文化に詰まった集落は、魅力がぎっしり!

一日、ガイドを務めてくださった佐藤さんの、豊富な知識に驚かされただけでなく、

この地域への愛着を感じることができた一日でした。

ありがとうございました! 

 

 ●参加者の方の感想 

 ・根子トンネルを歩くのは、わくわくしました。
 ・ご案内いただいた佐藤さんが地域を大切に思い、人に伝えようとする気持ちが

 うかがえました。
 ・暮らしぶりや歴史がわかることがたくさんありました。
 ・栗拾いも楽しかった。秋田の文化は深いですね。

 
大阿仁地域活性化協議会