旬を感じるツアー
「阿仁のごちそう 作る!食べる!体験」

2013年1月19日

 

1月19日、北秋田市阿仁地域で、この地域で親しまれている料理を堪能し、そしてその作り方を教えてもらおう!と旬を感じるツアーが実施されました。

(主催:NPO法人 秋田内陸線沿線地域エコミュージアム会議、旅行取扱:くまのたいら企画) 

秋田内陸縦貫鉄道に乗って、参加者はそれぞれ同市鷹巣方面と仙北市から、三角屋根が目印の阿仁合駅を目指しました。美味しい料理を食べて、勉強したい!という女性たちと一緒に過ごしたツアーの様子をご紹介します。
 
阿仁伝承館と異人館
 
料理の前に、午前は一行で阿仁伝承館へ行きました。 かつては、日本一の銅山ともうたわれた阿仁鉱山の歴史に触れました。明るく分かりやすい説明をしてくれた庄司館長(写真右)。
     
銅を都会(大阪)に運ぶ代わりに、大阪から文化を持ち帰っていた阿仁地域の人々。各家々には、当時大阪から持ち帰った石などがあり、館内での展示に協力してもらったそうです。
目を奪われたのは、忠臣蔵を表す押し絵屏風。これも大阪から運び込まれたものの一つ。吉良上野介ら主要人物を屏風の中に見つけようと、じっくり窓越しに探してしまいます。
   
アンティークなランプが飾られた地下通路。伝承館からこの通路で繋がっているのが異人館です。明治時代、技術者として来山したドイツ人が設計した外国人用官舎です。   異人館の中は、現代の私たちが訪れても窓の形、天井の高さなど全てが異国を感じる洋式建築。当時の人々にとっては、どれほど新鮮なものだったでしょう。
 

阿仁の郷土料理

 
そして、山村開発センターに向かい、楽しみにしていたお昼の時間になりました♪テーブルいっぱいに料理が並び始めています。   湯口内生活研究グループ代表の工藤正子さん。地域の食材を生かし、料理を通して阿仁の魅力を伝えてくれました。
   
午後の部の体験では、さば寿司(塩さばと野菜のなれずし)とくるみゆべしを作ります。昼食時にしっかり味を覚えようとする皆さんの様子から、体験への期待が伺えます(^^)。
阿仁の郷土料理を代表する馬肉料理や山の幸をふんだんに使った料理の品々を前に、2度、3度とおかわりをする皆さん。お腹いっぱいいただきました。
 
郷土料理作り体験
くるみゆべし
 
午後は調理場に場所を移し、早速料理講習の開始!参加者の熱心ぶりを見てください!メモをしっかり取りながらお話を聞いていました。   しかし、どの参加者の皆さんも料理の腕に関しては上級者。慣れた手つきで料理は進みます。
     
工藤さんがお手本を見せてくれます。とろーっとした「ゆべし」の生地が、蒸す前から美味しそう。今回のツアーには、仙北市西木町のグリーン・ツーリズム西木研究会の皆さんが参加したのですが、西木で食べられる「ゆべし」とは名前が同じでも食感も見た目も異なるため、興味深々のご様子でした。
     

さば寿司(塩さばと野菜のなれ寿司)

     
こちらは、さば寿司作りです。下準備をすでに湯口内のお母さんたちが仕込んでくれていたので、野菜を切るところからスタート。   切った野菜とラッキョウ酢、百年酢などこだわった調味料を丁寧に混ぜ合わせます。甘酒も入っているんですよ!
 
あとは大きな入れ物に入れて、重しを乗せて完成。1日~2日くらいおいたら、美味しく食べられます。あちこちから「これはいい」、「家でもやるべ」など感想が聞こえてきました(^^)   一通り体験が終わって、後片付けの場面。くるみゆべしやさば寿司に限らず、湯口内のお母さんを捕まえては、「お昼に食べた〇〇の料理なんだけど…」と質問が飛び交っていました。 
     
宝引き(ほうびき)体験
 
ツアーの最後は、この地域の昔の室内遊び「宝引き」を楽しみました。何本もの紐を扇状になるようにばらまき、好きな紐を選びます。当たりの紐を選んだ人には、プレゼントが用意されていました。無邪気にはしゃぐ参加者の皆さん(^^)。きっと、この地域の子どもたちもこんなふうに遊んだのでしょうね。
 
 
 
阿仁の歴史や郷土料理、昔遊びを楽しんだ後は、北秋田市名物のご当地スイーツ・バター餅をお土産にして帰路につきました。電車の中は、疲れ知らずの女性たちがおしゃべりに花を咲かせ、そして駅に着くたびに、ひとり、またひとりと降りてゆきます。
家族旅行とは違う、仲間たちとの少しの遠出。「大人の遠足」、そんな言葉がぴったりな一日が終わりました。