美郷町 研修1回目<平成30年8月22日実施>

専門家として、(一社)全国農協観光協会 の清水寿一さんをお招きして、美郷町都市農村交流推進協議会が研修1回目を実施しました。同協議会は、農作業体験や教育旅行の受け入れをしている町内の農家、またはそれらに興味のある農家の方たちで構成されており、美郷町農政課がその窓口になっています。

同協議会の活動のひとつに、平成24年から毎年実施している「ふる郷体験ツアー」があります。参加対象は、美郷町と友好都市である東京都大田区在住者で、都会では味わえない体験を通して地元住民との交流を深められるツアー内容で実施してきました。徐々にリピーターを増やして定員いっぱいで迎えてきたツアーでしたが、ここにきて参加人数の減少が見られるようになりました。その原因とこれからの課題を考えようと、研修の場をもちました。

過去のツアーで立寄ったスポット

ツアーの実施内容、現状について

現地視察を終え、町農政課の皆さんから、協議会の実体やツアー実施内容とその目的、現状について説明がありました。
同課は、旅行代金の値上げや開催時期を参加者減少の理由に挙げていましたが、清水さんの見解は異なりました。料金は決して高くはない。美郷町を十分に楽しめる内容で地域色は出ているが、足りないのは演出ではないか。都会の人が美郷町に来たときに何を期待しているか。もっと地元の伝統料理を作るメニューや農家を手伝いに行くというスタンスの農作業体験があってもいいというアドバイスがありました。
また、会員農家をもっと増やしたいが、行政主導で増やしたり体験メニューのブラッシュアップをしていくのは難しいという相談に対し、清水さんから会員の声を聞く場を設けることをアドバイスされました。「これだったらできる!」を聞き出し、お互いに考え、それを知ることで当事者意識が芽生え、各個人が協議会への関わりを深められるというご意見でした。

これを踏まえ、研修2回目は会員の皆さんが集まる場を作り、お互いに「何ができるか」を考えることになりました。

 

美郷町 研修2回目<平成30年11月6日実施>

研修1回目を経て、2回目は「地域資源の活用を含めた体験プログラム作り」をテーマに、協議会会員の皆さんを集めてワークショップを行いました。これまで受入農家の皆さんの意見を聞いたことがないこと、地域資源の洗い出しをしたことがないことを協議会の反省点に挙げて、プログラムの作り方を全員で考えました。清水さんからは、その手法と他地域の取組事例を紹介してもらいながら、「それでは、美郷町で何が出来るか」を考えるプロセスに移りました。

会員が相談しつつも自分なりの考えを付箋に書き出していきます。すると、全員の意見が大きなカテゴリに分けられました。町内の歴史や伝統行事に関連する「文化」、この地域ならではの「食(特産品)」、美しい「自然景観」等です。さらにその中から、実際に体験プログラムとして可能性のある項目を絞りました。こうして、お互いの考えを可視化して知り、個人ではなくみんなで考えたことは、協議会にとって初めての試みであり、それぞれが当事者意識をもち活動に携わる一歩になりました。
「ふる郷体験ツアー」は、2回の研修を経て、見直すべき点が明確になり、新たに組み込めるメニューのアイデアに広がりが出ました。それらを生かしたツアープログラム作りが今後始まります。