東成瀬村 滝めぐりと芋の子鍋体験

平成25年10月26日(日)開催

主催:日本一美しい村づくり東成瀬協議会
平成25年度 都市農村共生・対流総合対策交付金事業

錦織りなす紅葉を、秋田県内の中でも一足早くまとう東成瀬村。
その紅葉シーズンに、村をもっと楽しみ、満喫できるツアーが開催されました。
10月26日(日)、秋田市内を出発したバスは参加者23名を乗せて、東成瀬の虜とする旅へといざないました。
 

◆行程 ………………………………………………………

秋田県庁・秋田駅東口出発 → 道の駅十文字 → ~東成瀬村~田子内橋 → 不動の滝 → なるせ加工研究会 →天正の滝 → まるごと自然館 → ビューポイント栗駒 → 夢仙人大橋 → なるせ加工研究会 → 産業祭(村民体育館) →(十文字道の駅) → 秋田駅東口・県庁(雨天のため、当初の予定より変更あり)

 出発~東成瀬村へ(車内の様子)

秋田市内を出発したバスは、道の駅十文字(横手市)に立ち寄り、休憩を取りました。そこで待っていたのは、赤いエプロンがよく似合う小川駅長です。美味しいお団子を振る舞い、歌を披露してくれました。

 

 

参加者の心を鷲づかみにするおもてなしに車内から歓声がわきます。

     
 
今回のツアーガイドをしてくれたのは、あきた山の學校の代表を務める藤原優太郎さんです   現地スタッフとしてガイドを務めてくれた、まるごと自然館の備前源一さんもご挨拶。
     

東成瀬村は秋田県の南東部に位置し、平成11年には「美しい星空日本一」のひとつに認定された、自然美豊かな村です。また、「日本で最も美しい村」連合にも加盟しています。

かつては、宮城県から新鮮な魚介類をはじめとする食材や文化などが運ばれた秋田県の玄関口としての役割を担っていました。
今回は、紅葉シーズンに、「不動の滝」「天正の滝」「赤滝」という三名滝を訪ね、村自慢の粘り気の強い芋の子(里芋)で芋の子鍋を作ります。

 
田子内橋
 

国道342号線を走り、東成瀬村に入って走ることわずか、田子内橋が見えました。

 

昭和10年、田子内橋は木造橋から当時では珍しい強固な鉄筋コンクリートアーチ橋に建て替えられました。以後、老朽化に伴う取り壊しの話も出ましたが、村人の思いと国の理解により、原型を生かしたまま昭和62年に改修、平成16年には国の登録有形文化財に指定されています。

 

今でも生活道路としてその役割を果たす田子内橋は、村の大切な財産です。

 
実際に橋を歩いてみます。   「登録有形文化財」を示す石碑には、田子内橋が完成に至るまでのドラマが書かれていました。
     
不動の滝
 

仙人修行の滝行で知られる不動の滝を訪れました。白い飛沫を上げて、轟音とともに流れ落ちる様は圧巻です。

 

 その脇には、農業用水としてこの地域の人々の貴重な水源となっている小貫山堰がありました。 

 
ガイドの藤原さんの周りを参加者の皆さんが囲います。詳しい説明に、皆さん、「へ~」の連続でした(^^)   今回のツアーには、写真愛好家の皆さんが多数参加されました。シャッターの音が鳴り止みません。
     
夢なるせ直売所 ~農事組合法人 なるせ加工研究会~
 
 

こちらは、昭和62年発足以来、地場産の食材を生かし、加工技術の研究を重ねている女性グループの会です。

 

今回はその直売所に行ってきました。村の特産品・トマトを使った加工商品や山の幸など買い求める方で店内は溢れました。また、同会が次なる商品で研究をしている「米粉カステラ」の試食も配られ、参加者には率直な感想が求められました。

 
トマトをたっぷり使ったトマトバーガー!こちらの直売所でしか購入できません。米粉にトマトピューレが練りこまれたバンズ(パン)は、香りがよくて食欲をそそります。幅広い世代から支持される商品で、研究会のお母さんたちが太鼓判を押す逸品です。
※直売所は、11月4日をもちまして今季の営業を終了しています。来年5月に営業を再開する予定です。そのときまで首を長くしてお待ちくださいね。
     
天正の滝
 

成瀬川の支流、合居(かっきょ)川渓谷の「天正の滝」へ。向かう道は、くねくねの山道。しかし、そんなことも気にならないほどの絶景がそこにありました。岩肌に張り付く紅葉の美しさの素晴らしいこと。「おぉ」とか「わー」とか、言葉にならない感嘆の声が上がりました。

(小雨のため、滝壺まで行くのは中止しました。)

 
展望台からの眺め   心を奪われたかのように絶景に釘付けの皆さん。
     
まるごと自然館
一行は、昼食会場となる「まるごと自然館」へ。昼食はもちろん、ツアーのタイトル通りの「芋の子鍋」がメインです!(芋の子=里芋)
 
県南では馴染みのある醤油味の芋の子鍋ですが、秋田市の皆さんはびっくり!初めて食べると言う方も。   じっと座って待っているより、手伝ったほうがいいという主婦の皆さん。まずは味をみましょう♪
     
 
参加者の皆さんの協力もあって、昼食準備が整いました。芋の子汁が身体を温めてくれますね。赤飯やわらびの煮物、料理の数々…。調理スタッフのお母さんたちのおもてなしが光ります。
  
(写真中央)巻き寿司の横には、村では親しみあるお菓子「あずきでっち」。こちらも初めて食べる人がほとんどですが、滋味深い味わいが人気でした。
 
初対面とは感じさせない気さくさが嬉しい、調理スタッフの鈴木喜志さん(左)と鈴木豊子さん(右)。限られた時間の中で東成瀬村のこと、料理のことなどを教えてくれました。別れを惜しみながら走り出すバスに大きく手を振ってくれたお二人。
     
ビューポイント栗駒&夢仙人大橋
午後も天気は回復せず、やむを得ず三名滝のひとつ「赤滝」の見学は中止になりました。その代わりに、現地スタッフの備前さんがビュースポットへと案内してくれました。
 

午前中に見た滝や紅葉の感動を更に上回るような景色。

 

「この景色を秋田市に持ち帰りたい」と話す方もいらっしゃいました。「心の中に持ち帰って、また来て下さい」と備前さん。

     

今回の目的地であった「赤滝」に向かうには、国道342号線上に誕生した「夢仙人トンネル」を通り抜け、成瀬川上流に架かる「夢仙人大橋」を渡ります。これは夢仙人大橋から見える景色です(この記事のトップ写真もこの地点からの眺望です)

 
夢仙人トンネル。   まるごと自然館で撮った赤滝の写真。
この日、私たちも建設中の成瀬ダムの様子が目に映ったのですが、赤滝はいずれダム湖に沈むことになるそうです。ガイドの藤原さんと備前さんのお話を聞くにつれて、赤滝を一目見に、もう一度ここを訪れたいと思った参加者の方も多かったようです。
 
東成瀬村産業祭 なるせ物産まつり
 
最後の目的地は、東成瀬村産業祭が開催されていた村民体育館です。   直売ならではの新鮮や食材をお買い上げになる皆さん。帰りのお土産はすっかり重くなりましたね(^^)
     
 

■一日のツアーを無事に終えた皆さんから感想をいただきました。

 

○我が家の芋の子鍋は、豚肉とネギを入れた味噌味です。今日は鶏肉とせりの入った醤油味!芋の子は柔らかくて、味も最高。鈴木さんたちに感謝です。

○芋の子汁の下準備のお話を聞いて、とても大変だったと思います。心のこもったおもてなしを受けました。

○それぞれの地域で作られている郷土料理、それを教えてもらえる講習会をぜひ開いてもらいたいです。

○東成瀬村の昔からの役割、伝説など、新たな魅力を発見できてよかったです。新しい視点で当地を眺められるきっかけになりました。

○我が古里に帰った気分になりました。また新緑の時期でも、そうでなくても東成瀬村に来てみたいです。

○夢のような楽しい1日でした。こんなツアーは初めてで、再度友人や知人を連れてきたいと思います。

○秋田県在住でありながら、紅葉、里山の風景に感動した一日でした。

○天正の滝に向かう山の紅葉は涙が出るくらいきれいで感動しました。橋の上からの360度のパノラマ、紅葉と水とのコラボのすばらしさ、日本一の美しさです。

 
ツアーは終日あいにくの雨。しかし、霧に煙る里山風景や紅葉、滝の美しさに見とれたり、地元のお母さんから心のこもったおもてなしを受け、温かい交流が生まれたり。皆さん、天気をものともせず、大人の遠足のような一日を楽しめたのではないでしょうか。お疲れ様でした(^^)