大地の息吹を体感!
安らぎの皆瀬・若畑エコ体験学習ツアー ~2011年8月 湯沢市~
2011年8月8日(月)・9日(火)の2日間、秋田県の魅力を探る旅「旬を感じるツアー」(略して「旬感ツアー」)の「皆瀬と雄勝を巡る、エコ体験ツアー(主催:秋田コスモトラベル)」が行われ、私、現地特派員のよどぎみが同行取材をさせていただきました! 暑さが厳しい皆瀬村。美味しい食事に地域の方々との交流、自然の中でのひととき…まるで山間合宿のような、父兄も参加している修学旅行のような、笑いの絶えない楽しい旅となりました。参加者の笑顔から、この2日間の楽しさが伝わってくるといいな♪ |
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(写真左)小安峡・とことん山キャンプ場(写真は管理事務所)に到着。(写真右)とことん山からの景色。 澄んだ空気が気持ちよく、どこからか野鳥のさえずりも聞こえてきます。 |
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◆1日目 | |
とことん山で、蕎麦打ち道場に入門 ~蕎麦打ち体験~ | |
「皆瀬村・青年の家」で、蕎麦打ち体験にチャレンジ! 参加者の大半が蕎麦を打つのは初めてだそうで、不安でドキドキしています。けれど、「とことん山管理事務所」のスタッフ・兼子修一さんが丁寧に説明してくれたおかげで、安心して体験をすることができました。「手打ちそば処 かえで庵」の店長・鈴木直貴さんの直接指導もありました。 |
★皆瀬「手打ちそば処 かえで庵」は… 栽培から乾燥・製粉・加工の全てを手掛け、100%そば粉の手打ちそば屋です。 |
♪♪♪ 参加者の楽しそうな表情をご覧ください ♪♪♪ ヘタな説明はいりません。多くを語るより、まずは皆さんの蕎麦打ちの様子をご覧あれ! |
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父子も!蕎麦打ち体験。 |
女子も!蕎麦打ち体験。 |
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情熱ほとばしる!男のそば打ち体験 真剣な表情で蕎麦打ちに挑戦する男性陣の横顔は、素敵に見えますよね~! |
★☆★☆ 子どもたちの蕎麦打ち体験 ★☆★☆ お蕎麦、上手にできたかなぁ~?! お母さんより、僕の方が上手だよ~! |
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✿~✿ 親子で蕎麦打ち ✿~✿ (写真上)「おそば、爪に入っちゃった…」と、指を見つめる子どもに、「お父さんが切るから、見てな」と、張りきるお父さん。 (写真左)「包丁は、こうやって持つんだよ」と、子どもにレクチャーをするお母さん。 親子で協力しての蕎麦打ち。親は普段とは違う子どもの奮闘ぶりが見れ、子はそんな親の頑張りを見る…「楽しい」だけではなく、お互いがお互いを間近で確認し合える、貴重な時間となったようです。 |
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(写真左)とても個性が出た手打ち蕎麦。誰がどれを作ったのか、もうわかりません。が、その方がいいのかも(笑)。 (写真右)体験での蕎麦は、通常とは別の鍋で茹でます。太さも厚さも長さも色々で、茹でるのが難しそうですが、出来上がりのゆで加減は絶妙でしたよ。 |
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おいしい顔をパシャリ! ~手打ちをいただきます~ | |
蕎麦打ち体験後の昼食。「うまッ!」 |
「おいしく出来たよ!」 |
知らない人同士が蕎麦打ち体験を通し、ずっと親しく打ち解けられたひとときでした。楽しかった~! |
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とことん山で、子どもも遊ぶ! |
とことん山で、大人も遊ぶ! |
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(写真左)「とことん山キャンプ場」コテージ。本当はここに泊まる予定でした。天気良いと、最高だろうな。 (写真右)「とことん山キャンプ場」露天風呂。風の音、蟲の音など、いとあはれなり…夏ですが。 |
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「保存する」食文化を研究しよう ~地熱発電でナスの乾燥加工体験~ |
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お蕎麦を食べてお腹が満たされた私たちが次に向かったのは、「皆瀬・地熱利用農産加工所」。ここでは地域で積極的に取り組んでいる、天然の地熱エネルギーを利用した、伝統的保存文化を学ぶため、野菜の乾燥加工を体験しました。上の写真は、その材料(ナス)を切っている場面です。 |
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地熱発電による乾燥システムは、簡単に言うと温泉のお湯(熱水温度80℃以上)を扇風機の風で冷やし、そこで生まれた熱風により乾燥させるというものです。そのため野菜は、細かく切っておきます。 ちなみに写真左上の地熱利用施設(煮沸槽)は「1人1回 地域住民100円・地域外住民500円」で利用することができます。これが意外と地域内外に浸透していて、最近のエコに関心がある方にも受けているんだとか。 切った野菜は、後ろの地熱利用乾燥機へ。出来あがると、試食用(お土産♪)として明日いただけます。お楽しみに~☆ |
参加した小林大斗くん(8歳)は、「野菜切ったり、楽しかった」とコメント。母親の真奈美さんは、「同じ秋田県内でも、知らない場所がいっぱいあることに気付きました。こういう体験も、なかなかできないことですし、体験してみないとわからないことってありますね。もともと、物を作ったりするのが好きな子なので、今回の地熱を利用した乾燥野菜をつくる体験ではたくさんの発見があったようで、視野も広がり良かったです」とお話してくださいました。 | |
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加工所の方から、嬉しいスイカの差し入れ。このおっきなスイカを、何と一人でまっぷたつに切り分けた俊喜くん!その見事な包丁さばきに周囲の大人たちは驚いておりました。「だって、将来お父さんのお菓子屋さん継ぐでしょ。そん時、包丁持てなきゃね」にかほ市で菓子店を営む高橋さん親子。お父さんの徹さんにとって、この言葉は嬉しかったみたいです。「未来はまだ分かりませんがね(苦笑)。」 | |
★☆★☆ ここらでちょっと休憩 ☆★☆★ 工場見学は翌日の工程なのですが、ひとあし早く「栗駒フーズ」に立ち寄り、手作りソフトに舌鼓、乾いた喉を潤しました(助かりました^^;だって、ほんっとに暑かったんですもの~)。 手作りついでに申し添えておきますと、ここのワッフルコーンもスタッフがその都度お店で作っています。その手さばきは早く、シャッターを切るのも追いつかないくらいです(笑)。
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晴れ渡る青空に、飛行機雲。 |
栗駒フーズのソフト他乳製品。 |
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(写真左)足湯は誰でもご利用可能ですが、お風呂の清掃費の協力だけお願いします(お一人様いくらでも結構です、とのこと。(写真右)「あったかいー」と、俊喜くん。人一倍頑張ったね!お疲れさま。 | |
大地のエネルギーを体感しよう! ~小安峡大噴湯を散策~ |
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休憩後は、小安峡大噴湯を散策タイム。この断崖の裂け目から噴き上がる水蒸気をご覧ください!小安峡随一の景勝地として知られるだけの迫力があります。この地熱エネルギーを利用しての融雪や、温室ハウス栽培などは、地域の生活には欠かせない天然の恵みとなっています。 |
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![]() あちこちから噴出しているのは、98℃もの熱湯。たった30分そこそこの散策で、じっとりと汗が。 |
この遊歩道を800m程降りて行くと、小安峡大噴湯があります。 |
「小安温泉の由来」案内板。かつては、佐竹藩のお殿様もご入湯されたという、由緒ある温泉です。 |
「大噴湯のこと」案内看板。江戸時代の紀行家・菅江真澄もかつてここを訪れたようです。 |
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「ブシューッ」という轟音。それまでずっと撮影していましたが、カメラが濡れてしまわないよう保護して、さーっと横断!熱(暑)いよ~!!通称「地獄釜」とも呼ばれているのも納得…。 |
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![]() こうして見ると、標高差60mって高いな~! |
それにしても、綺麗です。 |
小安峡大噴湯前で、記念撮影! |
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民宿こまくさでの地産地消夕食 | |
本日のお宿、「小安峡の宿こまくさ」。97℃の源泉を引きこんだ、掛け流しのアルカリ性天然温泉です。ここのお米は、昔ながらの天日干し(はさ架け)された「あきたこまち」だそうで、とっても美味! |
とんび舞茸や天然鮎など、季節に採れた地元食材を多く使用した夕食。鮎は、ここのご主人が釣ってきたものです。他に、震災復興として石巻港より仕入れた鯨の刺身などもありました。 |
夜は桟敷の真ん前で、花火大会を観覧。 ~第34回雄勝大花火大会~ |
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雄勝大花火大会は、三方を出羽山脈に囲まれた秋ノ宮温泉郷や湯ノ沢温泉などがある役内川に架かる新万石橋の上流で行われ、小野小町のふるさとらしい淡く切ない恋心をイメージした創作花火や音楽と花火の共演が人気となっており、毎年10万人程が訪れています。今年はまた、「東日本大震災復興支援~がんばれ東北!~」の願いも込め、大空におよそ5,000発の大輪の花が舞いあがりました。 |
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花火大会警備委員長・消防副団長の大和氏による安全運営諸注意。みんな注意して聞きましょう! |
花火大会実行委員長・高橋氏による大会宣言。花火師たちのご苦労にねぎらいを! |
ここからは、豪華絢爛な花火大会の様子をご覧あれ! |
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た~まや~!どーん! |
「あー綺麗だったね!」 |
◆2日目 | |
低温殺菌牛乳ができるまで ~栗駒フーズで高原牛乳工場を見学~ |
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栗駒フーズの工場は、全国で唯一、温泉熱を利用して乳製品が作られています。 |
じっくり時間をかけて濃縮された低温殺菌牛乳を使用したソフトを購入するべく、またもや列に…。 |
牛乳を撹拌しているところ。湧水を飲んでいる牛から搾った原料乳。 |
摂氏98℃のお湯が、一時間あたり10トンずつ工場に入ってきます。 |
アイスクリームを作っている(冷やしている)ところ。子どもたちは興味深そうに説明を聞いていました。 |
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新鮮な牛乳を試飲。「う~ん、美味しい!」 |
「こんな美味しい牛乳、飲んだことないよ」 |
乾燥野菜、出来たかな? ~再び地熱利用農産加工所へ&あぐり館みなせで買い物~ |
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前日に、皆で加工体験した乾燥野菜ができたということで、再び地熱乾燥施設へ。
できていました!子どもからは、「うぉ~、パリパリしてる!」「これって食べれるの?」などの歓声が…。 これを水で戻すと、約3倍以上に膨らみます。味噌 汁や炒め物などに、下ごしらえの手間がなく、そこそこ日持ちがするので大変便利です。 |
袋をシーリング。子ども達はすぐに上達し、大人顔負け。「楽しい!」と子どもが言うと、「いつでも店さ、手伝いにあべ~(おいで)(笑)」と、加工所の方々。 参加した小林大斗くん(8歳)は、「野菜切ったり、楽しかった」とコメント。母親の真奈美さんは、「同じ秋田県内でも、知らない場所がいっぱいあることに気付きました。こういう体験もなかなかできないことですし、行ってみないとわからないことってありますね。もともと、物を作ったりするのが好きな子なので、今回の乾燥野菜をつくる体験ではたくさんの発見があったようで、視野も広がり良かったです」とお話してくださいました。 普段なかなか知ることのない加工体験が、親子で参加できて良かったですね。それにしても、袋のシーリングは、面白かったです(毎日仕事にするには、やはり、辛いこともあるとは思いますが…)。 |
あぐり館みなせでの買い物タイムも。 |
ここでも、乾燥野菜は人気。 |
夏を満喫!地域の人と話そう。 ~若畑でのふれあい交流会~ | |
その後、私達は昼食も兼ね、若畑集落の佐藤さん宅にお邪魔し、みそ焼きタンポ作り体験。そして地域の方々が用意してくださった沢山のご馳走と共にふれあい交流会となりました。 |
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みそタンポ作り体験。 |
米をすりつぶして準備。 |
味噌を塗ります。 |
様々な形のきりたんぽができました。 |
若畑ふれあい交流会。 |
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「普段うちらが食べてるものしかないけど…」とのことですが、毎日栄養たっぷりの旬の夏野菜なんて、羨ましい~。山の麓にある「水神様の湧き水」で淹れた麦茶は、喉越しが良く、とてもまろやか。乾いた喉を潤してくれました。「何度でもお代わりしてね」というお言葉に甘えてしまいました。 珍しい「ヌキウチ」と「とんび舞茸」のみそ漬けもあったりして、「本当はおもてなし料理なんでは…」と思いました。他にも沢山、がっこや煮物など、真心のこもった手料理で迎えてくださり、感謝しています。 |
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若畑集落。 |
若畑集落の佐藤ご夫妻。 |
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左は、100歳まで生きたという山形県出身のお祖母さんの家の跡。当時金庫番だったため、家が黒塀で守られていた、と言うのですが…今は、畑。 「若畑」の名称については、ある戦いにおいて、軍への忠義をいち早く示し旗を立てたことから、その名がついたのだそうです。 現在、集落には33名が、10戸の家で生活しています。うち専業農家さんは3軒で、殆どは兼業。米の収量は年間約8~10俵なのだそう。 「300年以上もの歴史がある若畑は、かつては泥湯温泉へと至る街道筋で、あちこちに庄屋や旅館などがあり賑やかだったと聞いています」と、佐藤栄一さん。現在ではその名残りは見当たらず、ひっそりとしています。 |
若畑集落で遊ぶ子どもたち。 |
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午後からは、若畑集落内を散策。といっても、参加したのはほぼ子どもだけでしたが…。 |
湧き水できゅうりを冷やしている民家を発見。「ここらじゃ普通だよ(笑)」と言われてしまいました。 |
ここでは若畑の子どもが、遊びの先輩です。こんなに小さくても、色んなことを知っていました。 |
ナメコのほだ木。春は、ワラビが生えてくるそう。ここは、自然からの恵みの宝庫です。 |
今回の旅で、始終ムードメーカーだった高橋俊喜くん(9歳)は、虫採りに一生懸命。 とてもひょうきんで、周りを明るくしてくれました。同時に、大人のお手伝いも率先してするなど、すごく頑張り屋さんな一面もありました。 |
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カエルやトンボを捕まえたりと、自然の中で思いっきり遊びを満喫した子どもたち。 |
お別れの時。家族が揃って見送ってくれるのが、田舎の良いところです。また若畑に来るからね! |
大学生の阿部優紀ちゃんは、「ご飯食べる時は、ちゃんと手を洗って、うがい!」とか、「好き嫌いはダメだよ」など、年下の面倒を見ながら、参加者の子どもたちにとっても「お姉ちゃん」的存在。妹の彩ちゃんも、「みんな、ちゃんとついて来てる?」と、互いに安全を気にかけあったりしながら、団体行動の大切さも学んだようです。 |
生活スタイルの変化で、現代の生活では、大人と子どもが別々の献立で、時間も親とは中々合わない食事をしていたりする人もいます。しかし田舎では、大人も子どももほぼ同じ献立、同じ時間に一緒に食べるのが普通です。本来の人間の基本的な生活を考えた時、それが普通なのです。 ここでの食事の時は、みんなが笑顔でした。そして、好き嫌いのある子どもも、ここでは残さず食べました。本当に不思議と食べれちゃうんです。 大人と同じ釜のご飯を一緒に食べるって、子どもにとっては本当に大切な時間なんですね。
今回の旅では、参加者同士がまるでひとつの家族のようなあったかい関係を築けた2日間となりました。大人にとっても忘れられない夏休みの思い出です。そして改めて家族の絆や、大人と子どもの関係を考え直すきっかけづくりともなったようです。
たとえ一期一会であっても、一緒に歩いた思い出は忘れない、現地特派員よどぎみ。 |
★おまけ★ | |
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(写真左)左は、運転手の竹内さん。お漬物が大好きとのこと。美味しかったですね。長距離を、安全運転していただき、どうもありがとうございました!右は、「あきた元気ムラ!」の阿部さん。いつも大変お世話になっております。行く先々で行き会うので、仲良くなっちゃいましたね! (写真右)「バス酔いするんですよ~」と言いながらも楽しいトークで、時には皆の安全を気遣いながら、添乗員として誘導してくれた「秋田コスモトラベル」の板谷さん。お疲れさまでした! |