農泊ビジネス起業実践研修の様子をご紹介します。
- <リモート講義>令和7年10月26日(日)
- <現地研修>令和7年11月7日(金)~9日(日)
◎会場・宿泊先
<北秋田市>GOKIGEN Cabin大地と風(外部リンク)、阿仁比立内がっこステーション(外部リンク)、了月舎農園
<仙北市>自然農の宿豆太、農家民宿輝湖、農家民宿一の重、農家民宿泰山堂、農家の宿星雪館

秋田県主催による「令和7年度農泊ビジネス起業研修」を、10月にリモート講義、11月に現地研修として北秋田市と仙北市の農家民宿を会場に実施しました(運営:当協議会)。本県で農泊による起業を目指す方を対象に募集を行い、今年度は選考の結果、県内外から10名の皆さんに参加いただき実施しました。
(集合写真:初日のワークショップを終えたGOKIGEN Cabin大地の風にて。皆さん緊張が解きほぐされた様子です。現地研修の写真は、令和5年度本研修受講生・佐藤成真さんに撮影協力いただきました。)
<リモート講義>

10月、オリエンテーションと講義(概論他)をリモートで実施しました。
受講生とスタッフ双方の顔合わせも兼ねていますが、現地研修前の予備知識として、当協議会・藤原絹子事務局長より「ここからはじめるグリーン・ツーリズム~概論から始めるまで」と題してグリーン・ツーリズムの概論、農泊ビジネス起業に関係する許認可制度の解説を行いました(リモート講義の欠席者には、後日アーカイブをご視聴いただきました。)。現地研修でワークショップを担当するまちづくりファシリテーターの平元美沙緒さん(上段・左)から研修前の準備や心構えなどを共有してもらいました。
現地研修<1日目>ワークショップ・事例紹介・見学
11月、北秋田市から現地研修をスタートしました。
会場は、GOKIGEN Cabin大地と風。元・作業小屋のアクティビティスペースへ。手作り感のぬくもりと洗練された空間がマッチしていて、地元のプロの業者さんに教えてもらいながらDIYしたというお話に、受講生一同感心しきりです。
初日の講師は平元さん。初日のテーマは「主語を”I”にして考える時間」。それぞれの起業について想いを書き出したり、そのためには何をすべきかを、ワークショップ形式でまとめました。




会場を提供してくださった、GOKIGEN Cabin大地と風・オーナーの小林牧子さんは、昨年度の本研修受講生!受講前から準備を進めておられ、今年7月に地元の皆さんへのおひろめ会を経てオープンしました。空き家を活用した宿泊&体験施設です。「泊まったり、集まったり、つくったりできる場所に」という思いでスタートしたこと、DIY経験ゼロのド素人が楽しみながら、学びながら、お金を莫大にかけずに自らの手でつくっているこの家はまだまだ成長の途中、と事例紹介していただきました。受講生は、先輩オーナーの小林さんのお話に「私にも出来るかも」と背中を押されたようです。
その後、一行は宿泊先となる仙北市へ。各農家民宿に到着する頃には、とっぷりと日が暮れておりましたが、お世話になる農家民宿のオーナーが出迎えてくれました。それぞれの農家民宿でじっくりオーナーと語り合う時間となりました。
現地研修<2日目>講義・ワークショップ
研修2日目は、星雪館のミーティングルームを会場に、講義・ワークショップを実施しました。
講義の前に、星雪館を見学させていただきました。
そして、いよいよ講義・ワークショップへ。講師は、株式会社141.&Co.代表の石井宏典さん。起業にあたっての大事なポイントと起業プラン作成にあたってのポイントを押さえました。
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さらに、講義の内容を自分のプランに落とし込み、夢や想いという段階から具体的にビジネスとして考えるトレーニングを行いました。個別の相談タイムも設け、一人ひとりの計画に助言をもらいました。ワークの合間のおやつにいただいた、星雪館おすすめの台湾茶の包種茶と揚げおやき(星雪館の看板お菓子であるおやきを油で揚げた魅惑の味)が皆さんの胃袋をわしづかみにしていました。
そして、今夜の宿泊は、それぞれ昨日とは違う農家民宿へ。ここでも新たな農家民宿オーナーとの出会いが生まれました。
現地研修<3日目>事例紹介
最終日は、再び北秋田市へ。まずは、秋田内陸縦貫鉄道・比立内駅舎内にある阿仁比立内がっこステーションへ。運営に携わっている一般社団法人大阿仁ワーキング事務局長 寺川重俊さんから事例紹介していただきました。
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2022年1月にコワーキングスペースと地域のコミュニティー広場としてDIYで改修してオープンした阿仁比立内がっこステーション。
その後、地域のお母さんたちの漬物づくりと販売を継続するため共同漬物加工所を併設し、漬物製造に励んでおられます。
また、今年からは「山の台所」として、漬物づくりに励むお母さんたちが、大阿仁地域の旬の食材を活用したランチ提供をトライアル営業しています(もちろん、3日目の昼食はこちらでいただきました!)。実際の運営開始から2年、いまだ試行錯誤しているリアルなお話を伺うことができました。
地域のお母さんたちが生き生きと加工場で作業している様子が、交流スペースに面している窓から大きなストーブで暖を取りながら眺めていると、どこかほっとする温かい気持ちになります。
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続いて、阿仁小様地域にある了月舎農園へ。オーナーの木村望さん・了了さんご夫妻は、令和4年度本研修受講生です。本研修を受講されて開業された先輩のリアルな声をきくことができました。
生憎、雨が強くなってきたため、外での体験は思い切ってあきらめ、屋内へ。生い立ちから移住、開業、これからに渡る木村さんのお話をじっくりと伺いました。臨機応変に受入内容を組み替えする様子からも、受講生にとっては学びになりました。お話の端々に熱意があふれ、思わず引き込まれます。そして、マタギでもある木村さんは、地元猟友会の一員として熊をはじめとする鳥獣被害対応に従事されていて、活動のお話を聞くだけでもためになりました。現在、木村さんは奥様と子育てしながら共にネギやさつまいもの栽培のほか、加工販売、農家民宿と精力的に活動しています。その忙しい日々を楽しみながら地域に根差した活動は、研修生の刺激になったようです。
おいしいもの、いろいろ
研修中、たくさんの考えを巡らせましたが、その合間、合間に研修生をホッと和ませてくれたのが農家レストランや宿のお食事。栽培方法の聞き取りや食材調達、盛り付けなど食事から得られる情報も重要な学びになったようです。食事の提供元には、食物アレルギーにも柔軟に対応いただきました。おいしい”ごっつお”、ありがとうございました!
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星雪館の旬の食材いっぱいのランチ(この他に、ごはんとたっぷりほうれん草の味噌汁付き)。山菜の「みずのこぶ」がおかずにあって、大好物の受講生も大喜び。

星雪館特製・魅惑の「揚げおやき」は、現地(星雪館)でしか食べられないとのことです。

山の台所のランチ。だまこ鍋が絶品。そして自慢の漬物も。漬物やジャムの即売会もあって、みなさんお土産に♫

了月舎農園でおやつ。石油ストーブの上でじっくり焼かれた、甘~い焼き芋
研修生となった皆さんは、リモート講義を含めた4日間を通してお互いに仲間意識が芽生えたようです。グリーン・ツーリズムの概論から始まり、想いやテーマを掘り起こし、起業にいたるまでの大事なポイントを押さえるといった盛りだくさんな内容で、研修生同士あるいは先輩起業者等との出会いの場となりました。今後の秋田県内での起業に期待しています!
以下、研修生の皆さんが撮影した思い出の一枚と感想(抜粋)です。










- (リモート講義は、)秋田県内の農泊事業者数、農泊宿泊者数を教えていただき、農泊の市場規模と事業者の売上平均値を理解することができました。
- 農家民宿の方々、参加者の方々とふれあえるのが一番のメリットだと思いました。
- 農泊を考える上で、ふわっと楽しい体験をしてもらうことも想定していましたが、お客様一人一人の課題を考え、解決することが大事だと分かった。相談タイムもとても参考になりました!
- 自身のやりたいことを1から自力では難しいと思っていたので、地域の方との連携の可能性や事業領域も見えてきたことが大きかったです。
- 資金計画に関するワークも時間をかけてやってほしかった。銀行借り入れ以外にどういった補助制度があるのかなど。このあたりは、講師の先生のみならず、自治体の方の説明もほしかったです。
- 研修に参加する前は、農泊なんてできるわけないよなと思って申し込んだが、今となってはやれそう!までになってきている。自分の得意なこと「料理・お菓子」「コミュニケーション力」を活かしてお客様を温かく迎え入れられる宿を作りたいです。
- ワークショップで皆さんの目指す起業を理解できて、自分の起業のヒントを得ることができました。泰山堂のお母さんと息子さんのお話とご飯と雰囲気にファンになりました。
- 地域に根差した事例を視察を通して知ることにより、自分が対象地域で開業する場合に、その地域とどう関わっていくかをイメージすることができた。
- 宿泊先でのホストの対応が参考になったし、ホストとの交流が意義深いものだった。
- 了月舎農園の事例紹介では、雨天のおかげで木村さんの考えやお話を伺えてとても面白かった。農家民宿のエッセンシャル(本質という意味で)を感じた。
「農泊ビジネス起業研修」に関するお問合せ
秋田県 農林水産部 農山村振興課
TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp




