令和元年9月27日(金)~29日(日)

本研修は、秋田県への移住希望者を対象に、移住後のライフスタイルとして農家民宿や農家レストラン等を活用した農泊ビジネスに興味をもってもらおうと実施しており、今年で4回目となります。秋田県の取組や実際に移住した方からの講話、更には農作業を通じて具体的に農泊ビジネスがイメージができる研修となりましたので紹介します。なお、今年の参加者は10名。ほとんどの方が首都圏在住の方々でした。
<主催:秋田県/運営:NPO法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会>

<1日目>羽後町

農家レストラン(昼食)、講話

研修生10名がそろい、一行が最初に向かったのは、羽後町のそば屋彦三(ひこさ)です。彦三では昼食を兼ねて店主・猪岡専一さんのお話を聞きました。昼食は彦三セット(この日は猪岡さんのご厚意で通常のセットにサービスしていただきました)、そして彦三名物・春菊のかき揚げをいただきました。

この日、猪岡さんが代表を務める農業生産法人・株式会社そば研のお話も含めて、羽後町でそば栽培する経緯や想いを話してくれた猪岡さん。そば粉の取引先である「しぶそば(株式会社東急グルメフロント)」のポロシャツを着て一行を迎えたことで、しぶそばに馴染みがある関東地方からの参加者と話が弾む場面もありました。

羽後町より情報提供

一行は、「羽後町定住体験住宅」に移動しました。そこで、羽後町企画商工課の佐藤隆昭さんより、羽後町の特徴や体験住宅について説明をしてもらいました。さらに、羽後町地域おこし協力隊である室伏風実さんからも羽後町を選んだ理由や実際に住んでみての感想をお話してもらいました。

講話

次に会場をかやぶき山荘格山に移し、現在羽後町集落支援員で、元羽後町地域おこし協力隊である崎山健治さんより「地域資源と仲良く暮らす」というテーマで講話していただきました。移住希望者であれば誰もが不安に思うところを挙げ、ご自身がどうやって乗り越えて地域に解け込んできたかを具体的に話してくれました。

農家民宿に宿泊

1日目を終えた皆さんは、それぞれ羽後町の農家民宿に宿泊しました。宿で夕食をいただきながら研修生からオーナーへ質問する様子や研修の合間にゆっくり流れる田舎時間を楽しむ様子も見られました。

<2日目>羽後町~湯沢市

農業体験(稲刈り)

2日目は、農業体験がメインです。羽後町田代地域の一部の集落では、今でも昔ながらの稲架掛け(はさがけ)で乾燥させる様子が見られます。今回は、田代村体験協議会の小坂圭助会長を中心に指導してもらいました。

稲架掛けの体験。この地域は畜産業が盛んなため、和牛の肥育に欠かせない稲わらを確保する必要があり、稲架掛けの文化が残っていると教わりました。「米作り」に実際に関わり、その手間暇を実感したと研修生の感想にありました。

格山で餅つきをして昼食にしました。つきたてのお餅を食べたのが初めてという研修生も多くいたようです。

農業体験(りんご収穫)

2日目後半は、場所を湯沢市秋ノ宮のアップルハウス菅果樹園にお世話になりました。ここでは、りんごの収穫体験をしたほか、菅さんからりんご農家のやりがいや苦労話をしていただきました。収穫したりんごのほかに、りんごジュースもお土産にいただきました。

講話

一行は、同じ秋ノ宮地域にあるAKINOMIYA-BASEに行きました。AKINOMIYA-BASEは空き家を活用した地域交流拠点で、地域力ワークスやまもりが運営しています。やまもり事務局の柴田裕さんに迎えてもらい、「やまもり」を始めた経緯や秋ノ宮地域が抱える強みや地域課題をお話してもらいました。

<3日目>湯沢市

最終日は、やまもりでお客様を迎えた際に実践している体験プログラムを実際にやってみました。ペットボトルを使って生地から作るピザ作りです。

もう一品、ダッチオーブンで作るアップルパイ作り。前日にお世話になったアップルハウス菅果樹園のりんごで作りました。
この食の体験を通して、大人が楽しめるメニューであり、子育て世代を対象にもできるプログラムである点を実感してもらえました。

3日間の研修を通して、皆さんの様子や感想から、思い描く「ビジネス」について都会と秋田(田舎)での違いに驚きや共感する方や移住前後の不安を共有し情報交換する方、移住後の夢をさらに大きく膨らませることができた等嬉しい様子や感想が見られました。

秋田でグリーン・ツーリズムのある暮らしをイメージ化し、今後の農泊ビジネスの起業に向けた構想づくりに役立てた研修内容となったと思います。
今回の研修生は、来年度以降、具体的な移住・起業に向けた起業プラン等を策定するための「実践研修※」を受講し、秋田県への移住を目指して行くことになります。

以下、参加した研修生の感想です(抜粋)。

  • 私の参加目的は、「将来的に田舎に住みたい、農業に関わりたい」ということでした。特に人とうまくやっていけるのか等、何も分からない状態でしたが、今回の研修でとてもよく理解できました。また秋田に来て、さらに移住に向けた楽しみをもち、不安を解消できれば嬉しいです。
  • 田舎にいると身心ともに元気になれる。これは私に限ったことではないので、たくさんの人に秋田の良さをもっと知ってもらいたい。将来的に秋田に移住できるようにもっと情報収集したいと思います。
  • 空き家から宿泊施設の立ち上げのシナリオを学ぶことができ、レベルの高い研修となりました。
  • 同じような移住・起業意識をもった研修生が集まる研修だったことから、研修生とも有意義な意見交換ができました。今回参加した皆様との再会(同窓会)を大いに期待しています。

「農泊ビジネス現地体験研修」に関するお問合せ

秋田県 農林水産部 農山村振興課
TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp