akitagreen

akitagreen page 5/64

電子ブックを開く

このページは akitagreen の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
akitagreen

5地域の人との繋がりで見つけたこだわりの食材世界の食に親しんできた夫妻の農園レストラン農園りすとらんてherberry山本智さん眞紀子さん三種町オーナーの智さんは秋田市生まれ。大手通信会社に三十七年間勤め、五十五歳の役職定年を機に、人生の集大成とする生き方を送りたいと思い、青森県五所川原市生まれの奥様の眞紀子さんとともに、平成二十二年に横浜市から三種町に移り住んだ。定年後は田舎暮らしをと四十代半ばから漠然と考えていたが、それが現実味を帯びるにつれ、希望や期待が高まるのと裏腹に、迷いや不安にも苛まれたようだ。試行錯誤を重ね、二年以上の準備期間を費やして移住したのであった。「里山」の美しさを残す土地の譲渡を受けたが、戦後の開墾地であったその集落は長年にわたって放棄され荒廃していた。重機を使わず手仕事で再興する「開墾」に取り組み、店舗併用住宅をセルフビルドで建てて、平成二十三年年七月に「農園りすとらんてherberry」をオープンさせた。ITシステムエンジニアとして海外のプロジェクトをマネジメントする部署のために世界中を駆け巡った。訪れた国々の料理を食べる機会に恵まれたが、イタリア料理には強烈なインパクトを感じたという。貧しかったが豊かだった食卓の記憶が濃厚に刻み込まれ、野山や海から採れる食材を手間ひまかけて調理したものに囲まれた時代を体験した智さんは、消費社会の生活様式に馴染みながらも懐疑も抱き続けてきた世代の一人である。イタリア料理の豊かさと美味しさに触れることにより、『食』に対する姿勢の原点を垣間見て、『食』をライフワークとする構想を秘めたる想いとした。移住地を三種町に決めたのは、「初めて来た時、役場や地域で町づくり活動をしている人など、出会った人たちがとても熱心で親切だった。ここには、無農薬の有機野菜、新鮮な海の幸、安心・安全な牛、豚など、魅力的な食材が豊富に揃っているし、何より、開放的な三種町の人がよかった」からという。目指すは、自分で育てたものを店に出す『自産店消』。ゆくゆくはバリアフリーの農園に育て、菜園セラピーで癒しを与え、雇用もしたい、と夢は広がる。十年の計を以って、定住に望んだ山本さんご夫妻の構想の全容はここでは紹介しきれないほど、緻密で膨大な量に及ぶ。「あきた、ていじゅう日誌注」*には、その詳細が記載されていて興味深い。*注http://aktlife.herberry.biz/