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35主役は美郷のおいしい米と野菜新たなる『農』の風が旋風を巻き起こす美郷町美郷サンファーム深沢久美子さん大坂美由紀さん横手市北部の金沢地区。史上名高い合戦「後三年の役」に縁のある地名や史跡、伝説が、豊かな自然とともに息づいている。平成二十四年三月、後三年駅から徒歩で五分ほどの場所に、「米サラダハウス」が誕生した。農家レストランと農家民宿、産地直売、県内外の学生の農業体験の受け入れも行っている複合施設である。また、六次産業化注に*取り組む施設としても注目を集めている。運営は、農事組合法人「美郷サンファーム」。米と野菜の大規模農業を営み、有機質を重視して栽培したあきたこまち、堆肥で育てたアスパラ、糖度が高い完熟ミディトマト、ミツバチで交配した一株から一個だけしか収穫しないメロンなどこだわりの農産物や、自家製のもち米を使った切り餅などを販売してきた。代表の深沢義一さんは、「米サラダハウス」開業のきっかけは、「生産者として、直接消費者に食べものを提供し喜んでもらいたい」という素朴な思いだった、と語ってくれた。レストランの支配人は、優れた女性農業者に与えられる『女性農業士』に認定された奥様の久美子さん。そして、管理栄養士として本荘由利医師会病院に三年近く勤め、結婚を機に故郷に戻った娘の大坂美由紀さんと、この道三十五年のベテランシェフの三人が厨房に立っている。久美子さんのこだわりは、自家栽培や地元で採れた新鮮な食材でアイディアをいかした美味しい料理を提供することだ。近所の人が長靴を履いたまま来てもらえるような、地元の人に愛されるレストランでありたいと語る。伝統的な秋田の食文化だけにとらわれず、心がワクワクする斬新なメニューを楽しんでもらいたいと、日夜研究に余念がない。二階は宿泊施設で二十名の収容が可能。将来的には体験施設を完成させ、宿泊者数を増やす計画もある。「後三年の役という歴史ある町に新たな賑わいを作り出し、人が集まる場所をつくりたい」。オープンから七カ月、地域の人々にも親しまれ、多くの人々が集うグリーン・ツーリズムのスポットとして早くも地元に根付いている。*注六次産業化農業が農産物を生産するだけでなく、それを加工し販売するところまで視野に入れた事業展開をすることにより、農業者が多くの利益に関われる仕組みを作ろうという考え方。第一次産業の農業=「1」、第二次産業の加工=「2」、第三次産業の流通=「3」の数字を使い、1+2+3=6(1×2×3=6)から「第六次産業」と命名。農事組合法人