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Flower travel 2 Flower in early summer in full bloom
 夏とはいえ、山ひだにはまだ多くの雪が張り付いているが、駒の花たちは強い夏の日差しをいっぱいに受けて、待ちかねたように動きはじめている。
 沢深い急斜面のお飾りはピンク色のトガクシショウマの役回り、サンカヨウは白くて温もりのある花で、蝶でも舞っているように樹林帯の斜面を埋めつくしている。

タカネスミレ満開

コマクサのある風景
 タカネスミレは6月も下旬の頃、大焼砂や焼森の斜面一杯に大群落を作って咲き誇る。この光景は見事というほかない。殺風景な砂礫地を瞬く間に黄色の花で染め抜いて登山者の目を楽しませてくれる。
 コマクサは同じ砂礫地にタカネスミレと棲み分けをしながら生育、少し遅れてピンクの花を付ける。この花の生育地は全国でも20座ほどで、東北では岩手山・蔵王山と秋田駒ケ岳の三座だけで生育する貴重種として保護されている。
 両種とも風を遮る木も岩もなく、強風が吹き荒れ、冬季には地表深くまで凍結する厳しい環境のために、他の植物では生育しにくい荒れ地に好んで根づく。

 

 

 

イワウメ。岩稜を行くとイワウメの花に出会える。冷厳な岩壁に少しでも温もりをと根づくのか、岩場を埋め尽くすように、そして誇らしげに咲いている。厳しい登りで一息入れるのは決まってこの花に会えたときである。ウメの花に似た白く美しい五弁花を無数に付けた様を見ると、岩根を行くのに花園にでも迷い込んだ気分に誘われる。 ミヤマキンバイ。山稜に咲くミヤマキンバイの花を愛でない登山者はいないだろう。雪田を越えて頂をめざす登山者を、この花が力づけてくれる。

 

 

ミヤマダイコンソウ。高山の崖地などに見られ、やや大型になる花。 アカモノ(イワハゼ)。日当たりのよい潅木帯の林縁ではアカモノが小さな体で地面を這っている。白にピンクの入った可愛らしい花をたくさん付けて、雪消えとともに人懐かしげに咲き競っている。この花も盛夏の頃には真っ赤に熟れ、上を向いて登山者に挨拶をしているようだ。思わず「こんにちは」と挨拶を交わしたくなる。

 

 

田沢湖を愛でて(コバイケイソウの群落)。この中間の植物はみな有毒で、殺虫剤として利用された。この葉をトイレに入れるとウジが死ぬというので、かつては田舎でよく利用された。 イワヒゲ。小さな葉がウロコ状に密について細長くなり、まるでヒゲのように岩に垂れ下がる。白色の鐘形の花をつける。全体的に奇妙な形で、いかにも高山植物らしい。

 

チングルマ


ヒナザクラ
湿生(雪田)植物の代表はチングルマとヒナザクラであろう。両種とも、阿弥陀池、浄土平、小岳周辺で群生し、雪消えの後を追うように一面に白く小さい花を咲かせる。小岳周辺のチングルマは特に見事なもので花の最盛期が近づくと遠く各地からこのチングルマの花を求めて、通い続ける登山者もいる。浄土平のヒナザクラもまた、白くて清楚な花で、チングルマとはまた違う雰囲気をかもし出している。

 

ミツガシワ。小さな3枚の小葉からできているところから、三つ柏と名付けられた。健胃剤としても有名。 水沢源頭を飾る
和賀山塊遥。山稜の大焼砂にはタカネスミレの大群生、雲海の向こうには和賀岳の山並みが立つ。 ヨツバシオガマ。葉が4枚輪状につくためこの名がある。高山草地でも背が高い花なのでよく目につく。

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