農土香からのメッセージ

~食育と米粉利用への取り組み~

 「米粉を使用した料理教室と食育講話」がこのほど、にかほ市総合福祉交流センター「スマイル」でおこなわれました(「あきた市民農楽校」(NPO法人秋田バリアフリーネットワーク)主催)。講師は、ご存知農家レストラン「食育工房 農土香」の渡辺広子さんです。

 参加者は、秋田市内よりバスで訪れた「あきた市民農楽校」のメンバー15名で、定期的に「秋田の“農”を考える講座」を開いている団体です。
 今回は実際に米粉を使用した料理を作ることで、本来の食育の在り方や今後の米粉利用法を考えるきっかけへとつなげようというもの。
 午前中は、広子さんが通常レストランで提供をしている具沢山の「米粉ピザ」と、「米粉の揚げパン」を作る料理教室となりました。

●米粉の料理教室

「食育工房 農土香」の渡辺広子さん。 実際に手本を見せながら、解りやすく指導。

 「今回のような講習会にはちょくちょく呼ばれるので、お店の定休日などに都合がつく限り行かせてもらってます。話を聞きたいっていう方には、単に料理の技術を教えたりレストランで食べてもらうだけでなく、食事そのものの大切さや、命のもとになる農業の大切さにを勉強してもらいたい。そうするとなぜ今また米なのか、米粉(を利用したメニュー)をレストランで提供するのかに気付くでしょう」と、広子さん。 

 広子さんは、「あきた市民農楽校」とは以前も一緒に講座を行ったことがあるそうですが、同楽校事務局の鈴木博美さんは、「今回は、秋田市開催にするよりも、農土香のあるにかほ市で開催した方が、講座を噛みしめながら勉強できるのではないかと思いました。」と、お話してくださいました。その風土を感じ、その土地に住まう人々との交流…成程、同楽校はグリーン・ツーリズムに関する講座も度々開いているようなので、その趣旨を理解した上での現地開催なんですね。

工程を味わうように一つ一つ念入りに作業しているのが印象的な、男性参加者。

一方こちらは和気あいあいと楽しそうに作業をする、女性参加者の皆さん。

米粉は油を吸いにくいのだそうです。 こちらも着々と準備が進んでいます。

 ケーキなどの製菓用には、グルテンを入れず、パンのみグルテンを入れます。こうすることでタネがまとまりやすくなり、モチモチとした食感の米粉パンになるのだそうです。
 米粉は本来が「米」なので、洋風なメニューであっても和風の食材が合うそうです。
 「“国産の野菜”にこだわっている方って多いわよね。それなら、主食も本来の姿“米”に戻すべき。徹底するのなら」と広子さん。

揚げパンは、左がカレー、右は餡子で、表面にきなこをまぶしています。 ジュージューと音を立てる米粉ピザ。いずれも農土香に持ち帰って、試食します。

●農土香での食育講話

 午後は、農家レストラン「食育工房 農土香」にて、できあがった米粉料理をいただきながらの食育講話。
 元農協の生活指導員で、自給自立運動の発展という夢の実現に向けて飛び回っていた広子さん。定年が訪れ、営農指導員だった勇さんと共に「農」への熱い思いを募らせ、次代を担う子ども達に健やかな「農」と「食」を伝えていきたいという思いから、「ナベちゃんの自給の家」をたち上げました。

 農協婦人部や関係者の集まる「食育発信場」へと姿を変えた「自給の家」は、平成13年の水土里ネット主催のフォーラム、「あきた 食料・環境・ふるさとを考える地球人会議」を契機に、学校給食における勉強会を本格的にスタートさせ、現在の「農土香」へと繋がっていったのです。

農土香の渡辺夫妻。作業は仲良く分担し、心をこめて“命の源である料理”を提供しています。

「お母さんの免許証」は、農土香のモットーです。季節の食物ごとに、存在の意味があります。

 夫の勇さん(上記写真左)は、借りた畑の一部でそば栽培をしながらそばを打ち、チャンスをみては手打ちそばの名店を訪れ勉強をしてきました。
 「単なるそば屋なら、やらなかったよ」と、勇さん。次男ですが小さいころから実家の手伝いをし、農業の実態を見てきました。
 「小さい頃は、なーんでも、やったよ。させられたっていうか。でも、それが今のこやしになってるな」
 食生活を改善する「食育」に、夫婦で取り組む農家レストラン「食育工房 農土香」。そんな渡辺夫妻が考える「食育」とは――。

「本物の食べ物は、命をつくる」
 添加物などが入ったものばかり食べていると、体に不具合が出てくることは、知られている割に、徹底されていないといいます。
 ある実験では、米を食いつぶすコクゾウムシですら、国産の米しか本能的に選ばなかったのだそうです。
 「そんな、虫ですら避けてしまうような食べ物を、世のお母さん達は自分の子どもに与えるのか?カビも生えないような添加物だらけの食物で、人間は育つのか?」という疑問を投げかけ、 「生体濃縮(=生物濃縮。化学物質などが、体内に濃縮されてゆく現象のこと)といって、親が受けた添加物、すなわち“毒素”は、子どもやさらにその下へと濃く繋がっていってしまう。親は軽い花粉症でも、その子どもは重度のアレルギーだったりするでしょう。すると、その孫は?って考えると、恐ろしい。その先が不安でしょう。すべては、そういった食生活の乱れが原因」と、広子さん。
 さらに、「国産の食物が、大昔から日本人の体を作ってきたの。構成してきたの。だから、私は農土香を始めた。そして“米でパンができる”と判断して米粉の料理を提供し始めた。未来を担う子どもたちの食卓をあずかる母親たちに伝えたい」と、力強く訴えます。

料理教室で作ったものの他に、米粉うどんと古代米の甘酒がサービスされました。 鳥海山の伏流水は、美味なる農産物と豊かな食卓を約束してくれます。

「命は、命あるものを食べて育つ」
  国産の農作物をいただくことが、地産地消だけでなく、「食べる」ということの意味を改めて考え直すきっかけとなり、本来の日本人の心や地域愛を養う「心と命の栄養」になっていくのではないでしょうか。

 
●○●○新たな出逢い○●○●

 「美味しそうにできたでしょ!」秋田市からお越しの佐藤節子さん(写真左)。
 「以前、“秋田白神・食の原風景を訪ねる旅”では、県北担当のやっつさんと一緒になりましたよ!あの時は楽しかったと、お伝えください」そうでしたか!さっそく、やっつには伝えておきますね。きっと、喜ぶことでしょう。
 行き交う時もまた、旅人なり(ちょっと違うか…)。
 ひとつの場所での誰かとの出逢いがまた、別の場所での誰かとの出逢いに繋がる…。目指すものが同じ人や興味の対象が似ている人とは、必ずどこかでつながっていて、どこかで再会できるような気がします。

県央地区特派員 よどぎみでした。

 


秋田花まるっ 元気通信

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