秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

平成23年度秋田県中山間ふるさと・水と土フォーラム

平成23年度『中山間ふるさと・水と土フォーラム』
 平成24年3月17日(土)、秋田県の主催で「平成23年度秋田県中山間ふるさと・水と土フォーラム」が開催されました。これは、県内の中山間地域等の農業・農山村が有する自然・景観・伝統文化・芸能・郷土食などの地域資源の魅力について、広く県民に理解と関心を持ってもらい、農地や土地改良施設などの保全・利活用にかかわる地域住民活動への参加を促進することを目標に行われるものです。地域づくり活動団体や農家民宿・農家レストランなどのグリーン・ツーリズム実践者など、地域づくりに興味のある方々が多数参加しました。

 大友富久美さん  秋田県農林水産部農山村振興課長・保坂龍弥氏
(写真左)司会者は、活力人4期生の大友富久美さん。フリーペーパー「まちきゃど」の編集発行人としてご活躍中で、花まるっ協議会も「まちきゃど」に協賛しております。
フリーペーパー「まちきゃど」のお問い合わせ先はこちら
 オフィスtarahuku(代表 たむらふくみ) e-mail : tarahuku@brown.plala.or.jp
(写真右)主催者である農山村振興課長・保坂龍弥氏の挨拶。

鳥海山小滝番楽舞

 オープニングは、にかほ市小滝に古くから伝わる地域伝統芸能「鳥海山小滝番楽」が会場を盛り上げました。
 「通りの歌」から始まり、「振り込みの歌」・「番楽の歌」と続き、「品こき太郎」・「翁」が舞われました。

鳥海山小滝番楽(県指定無形民俗文化財)…にかほ市象潟町小滝の地で鳥海山の神事として古くから演じられている番楽。永年継承されてきた伝統を維持、伝承するため小滝自治会の中に「鳥海山小滝舞楽保存会」を組織し、伝承の大切さを認識してその環境づくりに当たっている。(配布資料より抜粋)

鳥海山伝承芸能祭実行委員会 吉川栄一会長 鳥海山小滝舞楽保存会灯篭 フリーランスライター・藤原優太郎氏

(写真左)鳥海山伝承芸能祭実行委員会 吉川栄一会長は、「この番楽は戦時中、野営をしながら、生き残った僅かな人々が伝え、引き継いできた。駅伝はバトンがあって、自動的に次へと渡されるが、伝統芸能はそれがない。ゴールの無い駅伝文化だ。いま、我々にタスキがかかっている。そのタスキを、我々は次代につなげていかなければならないから、常に身の引き締まる想いでいる。この地を出た人が故郷に帰ってきた時、『まだ伝わっていたのか…』と思ってくれるのが励み」と、継承に係る覚悟と想いを話してくださいました。
(写真中央)鳥海山小滝舞楽保存会灯篭
(写真右)「農山村・旬を感じるツアー」の由利本荘市矢島での「鳥海山麓ぶらぶら旅~藤原優太郎と歩く秋田のみち~」や、秋田市河辺鵜養集落で行われた秋田地域振興局主催の「食農体験ツアー」などで、よどぎみもお世話になったフリーランスライター・藤原優太郎氏が『次世代に伝えたい~ふるさと秋田の魅力~」のコンセプトのもと、「新しい価値観の入り口に立つ 水と森のふるさと」と題して基調講演をされました。
 優太郎氏は、自らが主催する「あきた山の學校」の活動を例に出しながら、「秋田県は自然が多いというが、あまりにも漠然としている。水・土・緑などを自然と言うならば、そういった農山村エリアで暮らしている私たちこそが自然だ。自然とは、じねんと言い“あるがまま”の意。自らが良い意味での田舎=ふるさとになることを意識したい。そうして、これまで自分たちが求めてきた便利さや快適さを、一歩覗きこむような形で考えてみたい」と発言。自然に対して「乗り越える」ではなく「受け入れる」という畏敬の念を持つ大切さや、シンプルなライフスタイルへの転換などを提案されました。


 活動発表では、「水土里ネット秋田 あきた食料・環境・ふるさとを考える地球人会議」による「水土里の郷・わくわく鳥海をゆく」の事例紹介。平成23年は、秋田市の小学生が参加して西目の農業用水を使用した小水力発電や農業用水を自然の力で温める「小滝温水路」などの施設見学をしました。未来を担う子どもたちの目には、どんな風に映ったのか。秋田市の旭川小学校の生徒2名が「わくわく探訪・感想文」を発表。彼らの視点で語られる県内の地域資源。素直で素朴な感想は、初心に帰るような気持ちになりました。

「琴川のすげ笠」佐藤毅さん 「NPO法人はちろうプロジェクト」事務局長・鐙長秀さん

(写真左)当協議会の会員でもある男鹿市五里合「こおひい工房珈音」の佐藤毅さんは、いちどは途絶えた「琴川のすげ笠」を、昔ながらの里山・琴川を残したいという一心で伝承活動に取り組んでいます。地域に伝わる手仕事をの様子やこれから目指していることを、実物のすげ笠を携えてお話をされました。
(写真右)最後は、鐙長秀さんによる「NPO法人はちろうプロジェクト」の活動紹介となりました。こちらの団体は、自然・歴史・文化などを含む環境学習プログラムに関する出前講座や体験学習を通し、未来の八郎湖の再生を担う人材育成に取り組んでいます。

 様々な人々が連携しあって、今日の秋田県の農業が成り立っています。農山村の景観や伝統文化や郷土食などの地域資源は、私たちひとりひとりの考えによって変わっていくということを、改めて考えることのできる、充実した勉強の場となりました。

主催:秋田県
協力:あきた食料・環境・ふるさとを考える地球人会議、秋田県土地改良事業団体連合会、
   秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会

県央地区現地特派員 よどぎみ

2012年3月28日17:05 | 県央情報 | Trackbacks (0)

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